LIVING_Vol.1

 

 

DE OLiVA  代表 中野智保子さん

 記念すべき第1回は東京墨田区でスペイン産オリーブオイルを生産元から直接空輸で仕入れ、全国に向け販売しているDE OLiVAの中野智保子さんを、墨田区京島のお店に訪問しお話を伺いました。お店は京成曳舟駅近くの明治通り沿い、コンクリート打放しのモダンな建物の1階。入口のガラス扉に白いオリーブの葉の模様が目印です。

Q. オリーブオイルとの出会いは?


 大人になってからスペイン語の勉強を初めたのがきっかけで、スペインにお友達ができて、旅行で行ったり、お友達が日本に来たりするようになりました。友人は私がスペインに行くとお友達をたくさん呼んできて一緒にご飯を食べたりと、とてもフレンドリーで温かく、もともと食べることが大好きな私は、あまり言葉が喋れなくてもスペインの友人ができました。偶然、その中の友人の一人が、お父さんがグラナダでオリーブオイルを作っているという話になり、それまでもオリーブオイルを食事の中に取り入れていた私は、そこで、オリーブオイルの生産量はスペインが世界で一番ということから始まるオリーブオイル事情を知ることになりました。
 スペイン料理のおいしさもオリーブオイルの使い方や、オリーブオイル自体の美味しさからきているということや、お酒をたくさん飲んでも体への負担が少なく感じられるのもオリーブオイルのおかげだと教えられました。その時の誰かの「日本で売ってみれば」という簡単な一言が、ビジネスとして私がオリーブオイルに取り組むきっかけでした。
 
 

Q. ビジネスにしたくなるほどのオリーブオイルとは?


 スペインで食べるオリーブオイルは日本で食べるものより圧倒的に美味しく、しかも、オリーブオイルのバリーエーション(品種)も多く、お料理との合わせ方など、素材としてのオリーブオイルを強く認識したのを覚えています。そして、日本に帰ってきて日本で売っているもので同じ食べ方をしてみたら「ワッ!何だこれは!!」ってことになって、まず商売としてお金を儲けるというより、オリーブオイルって一体何?っていうことからビジネスがスタートしたと思います。日本で輸入されているオリーブオイルとスペインで味わったものとの品質の違い?地理的な隔たりや保存保管環境などいろいろな条件の差異など?いろいろなことが知りたくなり、そこから、素材としてのオリーブオイルの勉強が始まりました。
 スペインでのセミナーに参加した際に、高品質なものからそうでないものとには結構な幅があり、本当に色々あるんだなと思い知らされました。同時に、日本ではトップレベルの本当に良いオリーブオイルにはそう簡単に巡り会えないのだなという実感を強くしました。そして、私は本当に良いオリーブオイルを日本に紹介したいなと思い、今の二つの生産者のオリーブオイルを販売するに至っています。
 私がこのオリーブオイルを日本にお届けできるのは、生産者さんとの信頼関係も大きく影響しています。2社とも私が日本で販売する前には、会社に伺い生産者の姿勢を確認しています。どちらも、誠実なスタンスで真面目に作られていて、心からの尊敬に値する会社です。日本では私だけが扱わせていただいていますので、正しく伝える責任も感じています。

※1 モレジャーノはワールドベストオリーブオイルズの世界ランキングでオーガニック部門のNo.1になったオリーブオイルです。年間8,000本しか生産されません。収穫期間は1年のうちの1週間だけ!自社の畑は国定公園に指定され、厳しい環境基準をクリアしたトップレベルのオリーブオイルです。

 

※2 スプレモはマリオソリーナスというIOCのコンテストで北半球で第3位に輝いています。生産地はハエンでスペインの南側で北側よりもすっきりしたオリーブオイルができます。DOPボトルのカラーはとてもビビッドで、可愛らしいものなのも魅力です。生産者は、協同組合で2013年の商品から400の農家から10件を選ん高品質のオリーブオイルを作るというプロジェクトから生まれたオリーブオイルです。

※ オリーブオイルは味と品質が密接な関係を持っていますので、本来はテイスティングをしていただいてご購入していただくのがベストです。

Q. 品質のわかる方には嬉しいですが、
  価格帯を考えるとビジネスとしては大変なのでは?


 一般的には商売ですので当たり前のことですが、スーパーや小売店で販売するには原価がいくら?とか、数字的なことを考えると、このオリーブオイルはスーパーなどの店頭に並ぶことは難しいかもしれません。他の商品より高いイメージになるからです。良いものは原価が高くなり、商業ベースで考えた時には流通しにくいものになってしまいます。もちろん、私が扱っている商品のラインナップには、500mlで1,700円という値ごろ感のあるものもあります。しかし、同価格帯のスーパーなどで売っているものに比べてはるかに品質の良いものと言えます。これも私が直接輸入し、販売しているからこそできる価格なんです。価格は相対的なものですから、高い安いというよりは妥当かそうでないかということでしたら、私は自信を持って妥当な価格と言えると思います。
 私は品質を理解して必要としてくれる方にお届けしたいと考えています。そして、何より知っていただくことが大切で、消費者の方々の選択の幅が増え、品質の良いものが選べるという環境が生活自体を豊かにするものと考えています。
 知ってもらえば、選んでいただけるという自信は、商品の品質の高さが与えてくれます。時間はかかりますが、本当に必要としてくださる方に、きちんとしたものをきちんとした価格でお届けしていこうと思っています。
 

Q. 輸入方法は空輸ということですが・・・?


 品質を守るために空輸しています。オリーブオイルの品質に影響する大きな要因は、ワインにも共通する、酸素による酸化、紫外線、温度による劣化などです。収穫時の風味や味を長く保つために、ボトル自体に紫外線を通さないボトルを使用、ボトリングに関しては窒素充填で酸素との接触をなくしたり、温度に関しては高くても低くてもいけないので12℃くらいの定温保管といった方法と努力がなされています。
 また、オリーブオイルもワインと同じように収穫年度ごとの味や品質の違いがあります。この辺もワインに共通しますね。過去には2014年は世界的に品質が悪く、私もできる限り輸入量を少なくして乗り越えた1年でした。確かな品質の商品をお届けすることができないのはつらいことです。
 

Q. 最後に単純な疑問ですが、
  良いオリーブオイルを使うことのメリットって何ですか?


 品質の高いオリーブオイルは調味料としての賢い使い方ができます。例えば、お料理って、全てに良い素材を使えばそのお料理が美味しくなるのは目に見えていますよね。でも、そうするととても材料費が高いものになって、家庭料理としては現実的ではありませんね。でも、すべての素材を良いものにしなくても、仕上げのオリーブオイルによって一味グレードアップすることができれば嬉しいですし、高品質のオリーブオイルの価値が見出せます。
 また、調味料として塩分も減らせるということもあったり、お安いチーズやパンでも良いオリーブオイルをちょっと加えることで美味しくなったら、とても素晴らしい調味料だといえますね。オリーブオイルの使い方自体がSTYLE(スタイル)となって心も身体も豊かに、笑顔になれば素敵なことだと考えます。高いオリーブオイルは決して特別なものではなく、日常(Style)なんだと知ってもらえれば嬉しい限りです。

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Profile


学歴:実践女子大学卒業
職歴:OL、保育ママの手伝い
スペインに対する興味は小さい頃に見たサントリーローヤルのCMで、
ガウディの作品を見たことがきっかけです。
 

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スペイン産オリーブオイル専門店
紫外線と温度管理が品質保持の決め手
空輸することで保たれる品質
スペイン産 高品質オリーブオイル
「最高」という名のオリーブオイル